薄毛の種類・メカニズム
目次
薄毛や抜け毛のヘアサイクルとは?
薄毛や抜け毛が発生する大きな原因は、髪の毛が生まれ変わる周期であるヘアサイクルに何らかの問題が起きるからです。特に注意したいポイントをご紹介します。
成長期・退行期・休止期の3つに分かれる
髪の毛は、以下の4つのサイクルを繰り返しています。
成長期 | 毛母細胞が分裂を繰り返す時期 |
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退行期 | 毛母細胞の分裂能力が終わる時期 |
休止期 | 毛根が活動を休止し、自然に抜け落ちる時期 |
成長期はまだ髪の毛が成長している段階ということもあり、抜けにくくなっています。退行期は抜ける準備をするタイミングですが、実際に抜けやすくなるのは休止期に入ってからです。
参考:(http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/05.pdf)
ヘアサイクルが乱れると成長期が短くなる
正しいヘアサイクルでも、一日50~100本程度の髪の毛が抜けるのは自然なことです。しかし育毛を検討するほど抜け毛や薄毛が気になる場合、ヘアサイクルのうち、どこかでトラブルが起きて全体の流れが乱れていると考えられます。
本来髪の毛のうち、成長期にあたるのは80~90%程度、退行期は2%、休止期は10~15%程度です。たくさんの抜け毛が発生していたり、薄毛になったりしている場合、成長期が短くなっている可能性があります。
参考:(http://www.doyaku.or.jp/guidance/data/05.pdf)
壮年性脱毛症と抜け毛のメカニズム
通常以上に髪の毛が抜け落ちている場合、壮年性脱毛症と呼ばれる状態にある可能性が高いです。どのような症状か、なぜ薄毛・抜け毛が発生するかご紹介します。
壮年性脱毛症とは?
壮年性脱毛症とは、働き盛りの男性に多く見られる薄毛症状のことで、「AGA(エージーエー)」という呼び名で知られているものと同じものになります。
一般的に20代前半くらいまでに発生する薄毛は、若年性脱毛症、それ以降の30代~50代で発生する薄毛症状が、壮年性脱毛症と言われますが、具体的に何歳から名称が変わるとはっきりした境界線があるわけではありません。
壮年性脱毛症になると、ヘアサイクルのうち、髪の毛の毛母細胞が分裂を繰り返す時期である成長期が短くなってしまいます。これにより、力強くて濃い髪の量が減り、全体的に薄く見えてしまうのです。
成長期が短くなる原因として様々なことが考えますが、主に男性ホルモンの影響が大きいとされています。
抜け毛のメカニズム
壮年性脱毛症は、ヘアサイクルが乱れることによって発生します。
頭皮には「毛包」と呼ばれるものがあり、ここで髪の毛が作られているのですが、ヘアサイクルのうち成長期が何らかの理由で短くなってしまうと、毛包が十分に成長できません。
毛包は毛の太さと長さと深く関わっており、健康な髪の毛を作るためには毛包が十分に育っている必要があるのです。
そのため、成長期が短かったために大きくなれなかった毛包が原因となり、薄毛が起こります。
薄毛や抜け毛に悩むことのない頭皮環境を実現したいと考えているのなら、ヘアサイクルが乱れて成長期が短くなってしまうのを防ぐことが大切です。
参考:(https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/133/2/133_2_73/_pdf/-char/ja)
抜け毛のタイプと壮年性脱毛症の種類
抜け毛のタイプによって見た目の特徴が異なります。また、女性の場合は男性と薄毛の特徴が異なるので注意が必要です。
男性の抜け毛は6つのタイプ
大きく分けると次の6つの種類に分かれます。
- 生え際から全体が薄くなるタイプ
- ゆっくり進行するタイプで、全体的に薄くなります。
- 頭頂部から後ろに薄くなるタイプ
(横に残るタイプ) - 頭頂部から徐々に後ろに向かって薄くなるもので、状態が悪化すると頭の側面部分のみ髪の毛が生えている状態になります。
- M字型に薄くなるタイプ
- そりこみ部分がM字型に薄くなり、額が広く見えるようになります。
- M字型+頭頂部も薄くなるタイプ
- 前頭部は生え際から徐々にM字型に薄くなり、頭頂部からも薄くなります。
- 額の中央から薄くなるタイプ
- 髪の毛のセンターラインが徐々に後方に薄くなります。
- 頭頂部から輪に広がるタイプ
- 本人が鏡で確認しづらい頭頂部から丸く薄毛が広がります。
女性の抜け毛のタイプ
壮年性脱毛症の原因となるヘアサイクルの乱れは男性ホルモンの影響が大きいのですが、女性にも少量ながら男性ホルモンが存在するため、ホルモンバランスの乱れなどにより壮年性脱毛症になることがあります。
ただ、男性のように薄い部分と濃い部分がはっきりしているタイプの薄毛ではなく、全体的に薄くなるのが特徴です。少しずつ変化していくので、本人も症状がかなり進行するまで気づけないことがあります。
壮年性脱毛症を改善するポイント
壮年性脱毛症を改善するためには、発毛剤や育毛剤を活用しながら頭皮環境と生活習慣を整えていくことが大切です。
発毛剤や育毛剤を積極的に使っても、頭皮環境や生活習慣が乱れていれば薄毛を改善することは困難なので、組み合わせて行っていくことが大切だといえます。
発毛剤や育毛剤の効果を十分に発揮できるよう頭皮環境を清潔に整えるほか、食事では健康な髪の毛を作るために欠かせないタンパク質や亜鉛ビタミン類を積極的に取り入れるなどしてみましょう。