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STUDY
育毛について知る・学ぶ

薄毛の原因

目次

遺伝に起因する男性ホルモンの影響

薄毛には様々なタイプがありますが、30代~50代といった働き盛りの男性を悩ませるのが「壮年性脱毛症」と呼ばれるものです。
これはAGAとも呼ばれている男性型脱毛と同じものであり、薄毛を発生させる大きな原因は男性ホルモンにあります

この男性ホルモンは、遺伝子の影響を受けているのです。

まず、DHTとも呼ばれる男性ホルモン「ジヒドロテストステロン」の働きについておさえておきましょう。ジヒドロテストステロンは、壮年性脱毛症など男性型脱毛症の主な原因です

精巣では男性らしい体を作ったり、毛髪を太くしたりする「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンが作られているのですが、20代頃から徐々に減少します。すると減少したテストステロンを補おうと「5αリダクターゼ」と呼ばれる酵素が働き、少ないテストステロンから大きなパワーを持ったジヒドロテストステロンを生成するのです。

ヒドロテストステロンが受容体に結合すると、細胞成長因子が誘導されて成長期が伸び、ヒゲが濃くなるなど、男らしい体になるなどの変化が起こります。しかし、一方で頭皮の中でも特に前頭部や頭頂部にある男性ホルモン感受性毛包は、脱毛因子とも呼ばれている「TGF-β」を誘導してしまうのです。これにより、髪の毛を成長させるために必要な毛母細胞の増殖が抑制され、薄毛につながります

参考:日皮会誌:120(5),977―986,2010(平22):日本皮膚科学会ガイドライン[PDF]

母方の父親・祖父からの遺伝に注目

ジヒドロテストステロンは男性なら誰でも持っているものなのですが、壮年性脱毛症になるかどうかは、ジヒドロテストステロンに対する感度の高い受容体を持っているかどうかにかかっています。
感度の高い受容体を持っていなければジヒドロテストステロンの影響を受けにくく、薄毛や抜け毛の心配も少ないです。

なお、この受容体はX染色体上に存在していることから、母方から遺伝します。母親がこの受容体を持っている場合は、遺伝する可能性があり薄毛リスクが高まるわけですが、女性は男性ホルモンの影響を受けにくいため、自分の母親が薄毛ではないからといって薄毛リスクの高い受容体を持っていないとは判断できません。
そのため、受容体の影響を受けやすい母親の父親が薄毛傾向にあるかを考えたほうが良いです。
また、隔世遺伝のことも考えると、母方の祖父から薄毛に関する遺伝子を引き継ぐこともあります

それから、先述したジヒドロテストステロンを生成する酵素である5αリダクターゼは優性遺伝であり、両親から引き継ぐ遺伝子情報です。このこと考えると、自分の両親、または母方の父親・祖父が薄毛傾向にあった場合、関連する遺伝子を引き継いでいる可能性があるといえます。

30代~50代に多い壮年性脱毛症とは?

壮年性脱毛症とは、様々な理由によってヘアサイクルが乱れ、髪の毛が濃く、長く育つ段階である「成長期」が短くなってしまったために発生する薄毛症状のことをいいます。
原因や対策についてご紹介しましょう。

壮年性脱毛症の原因

壮年性脱毛症の原因はヘアサイクルの乱れにありますが、これを引き起こす代表的なものが男性ホルモンの影響とストレス、年齢、頭皮の炎症の4つです。これらの原因により、髪の毛の成長期が短くなったりした場合に結びに繋がります。

壮年性脱毛症の対策や治療

対策・治療の基本は、今発生している抜け毛を抑えながら、育毛に取り組んでいくということです。発毛剤や育毛剤を取り入れ、頭皮環境の改善を目指していきましょう

まずは自分の普段の生活の中で、薄毛や抜け毛の原因になりそうなことがあれば、それを改善することから始めなければなりません。

例えば、次の中で該当するものはないでしょうか。

  • 生活習慣が乱れている
  • ストレスを溜め込んでいる
  • ほとんど運動しない
  • 睡眠時間が足りない
  • 飲酒・喫煙量が多い

これらはヘアサイクルの乱れを引き起こすので、できるだけ改善しましょう
健康的な髪の毛を作るためには、健康的な体を作るための対策が効果的です。生活の中で「これは健康に良くないな」と時間していることがあれば、改めていくことが強くて長い髪の毛を作ることに繋がります。
病院で治療を行う場合は、フィナステリドやドゥタステリド、抗男性ホルモン物質などを使った内服療法のほか、ミノキシジルや、その他の薬剤を用いた外用療法が選択可能です。もちろん、治療を受ければ生活習慣が乱れていても問題ないといったわけではないので、いずれにしても生活習慣を整えていくことが大切といえます。

参考:日薬理誌(Folia Pharmacol. Jpn.)133,78~81(2009):男性型脱毛症治療の現状と今後の展望[PDF]

生活習慣の要因からくる脱毛症

普段の生活習慣は髪の毛の健康と深く関わっています。例えば、丈夫な髪の毛を作るためには、食事から十分な栄養素を取ることが重要です。栄養素の中でも特にタンパク質は髪の毛の主成分であることから不足しないように注意しなければなりません。
また、栄養不足が起きると頭皮の血行が悪くなり、健康な頭皮を維持することが難しくなってしまいます。

参考:石川看護雑誌 Ishikawa Journal of Nursing Vol.9, 2012:「看護学生の食生活改善に向けた介入の効果」[PDF]

それから、紫外線にも注意が必要です。紫外線を浴びた頭皮は乾燥して硬くなり、血行不良に陥ってしまいます。柔らかく、弾力のある頭皮のほうが健康な髪の毛が育ちやすいため、紫外線が強い日は日陰を悪く、帽子をかぶるなどして対策をとりましょう。

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