育毛に良い生活習慣
目次
薄毛や抜け毛を加速する要因
薄毛や抜け毛の大きな要因として挙げられるのが、遺伝子によるものと、生活習慣によるものです。
遺伝子要因
働き盛りの男性に発生する壮年性脱毛症は、遺伝的要素を持っている場合に発生します。壮年性脱毛症の大きな原因は、ジヒドロテストステロン(DHT)と呼ばれる男性ホルモンです。
このホルモンは、加齢などによって「テストステロン」と呼ばれる男性ホルモンの生成量が少なくなった場合に、5αリダクターゼと呼ばれる酵素の働きによって作られるとても強力な男性ホルモンでもあります。
ジヒドロテストステロンは脱毛因子を誘導する働きがあるため、遺伝でジヒドロテストステロンに対する感度の高い受容体や、5αリダクターゼの活性を受け継いだ場合、壮年性脱毛症を発症しやすくなり、抜け毛リスクが加速してしまうのです。
皮会誌:120(5),977―986,2010(平22):日本皮膚科学会ガイドライン[PDF]
生活習慣要因
生活習慣の乱れは壮年性脱毛症の原因となり、ヘアサイクルの乱れを引き起こします。ヘアサイクルのうち、髪の毛が成長する成長期が短くなってしまうと、力強い髪の毛を作ることはできません。
例えば睡眠不足やストレスを感じていたり、食事から十分な栄養素を摂取できていなかったりするとホルモンバランスが乱れ、ヘアサイクルが乱れてしまいます。
他にも運動不足が原因で血行が悪くなり、頭皮に十分な栄養素を届けられなくなった場合も薄毛や抜け毛が加速することは避けられません。
紫外線にも注意が必要です。紫外線は頭皮を乾燥させ、血行不良を招きます。
またタバコを吸っている場合も、ニコチンの働きによって毛細血管が収縮して血行不良につながり、頭皮に栄養素が届きにくくなるので注意しなければなりません。
育毛に良い生活習慣
健康的な髪の毛を作るためにも、育毛に良い生活習慣を心がけましょう。
睡眠は十分な時間を確保するだけでなく、質を高めることも重要です。寝る直前までテレビやスマホを見ていると、睡眠の質が悪くなりがちなので注意しましょう。
ストレスについては目に見えるものではないため、定期的に体を動かしたり、趣味を楽しんだりしてストレス対策することが重要です。
普段の食生活では、栄養バランスの整った食事をとるように心がける必要があります。髪の主成分はタンパク質なので、特にタンパク質が不足しないようにしましょう。
育毛目的の運動は、それほどハードなものを行う必要はありません。軽いウォーキングやストレッチでも血行不良の改善につながるので、継続しやすいものを選択するのがおすすめです。
また、紫外線対策も重要になります。日傘をさすのが難しい場合は帽子をかぶる、日中に外を歩く際にはできるだけ日陰を選ぶ、紫外線量の多い時間帯は外出を控えるなどの対策をとりましょう。
育毛材以外の対策
育毛剤以外で育毛に良い生活習慣を心がける際には、育毛に良い栄養素を取り入れるのがおすすめです。例えば亜鉛には、ケラチンという髪の主成分を合成する働きがあります。
また、ビタミンには頭皮環境を整える働きがあるのでしっかり取り入れていくことが大切です。
特にビタミンB2やビタミンB6は代謝を活性化させる働きがあるため、不足しないようにしましょう。
L-シスチンというアミノ酸の一種も、髪の新陳代謝機能を促進させることから育毛に役立つとされているため、取り入れるのがおすすめです。
いずれも食生活の中でバランス良く取り入れるのはなかなか難しいので、サプリメントを選択するのも良いでしょう。サプリメントを取り入れる際には、過剰摂取に注意しなければなりません。
育毛のためと考えてサプリメントで成分を過剰摂取してしまった場合には、健康被害につながる恐れもあります。必ず商品説明を確認したうえで適量取り入れましょう。
それから、薄毛治療薬として知られているプロペシアを選択する方法もありますが、デメリットも大きいです。例えば性機能が低下したり、肝臓の機能が低下したりする副作用も報告されています。
まずは安全な方法として、生活習慣の見直しから検討してみてはいかがでしょうか。
ヘアケアの抜け毛予防対策
健康的な髪の毛を実現するためには、頭皮状態を整え、丁寧なヘアケアをすることが大切です。例えば頭皮が汚れたり炎症を起こしたりしている状態で育毛剤などを使ったとしても、十分な効果は期待できません。
頭皮環境を良好な状態に保つためにも、シャンプーにこだわることも大切です。自分に合ったシャンプーを選ぶのはもちろんのこと、育毛成分が含まれているものを選ぶのも良いでしょう。
できるだけ頭皮にとって、刺激を与えない成分で作られたシャンプーを選ぶと安心できます。
また、抜け毛予防対策として育毛剤を選択するのも効果的ですが、その際には一度にあれこれ試すのではなく、一商品のみに絞ったほうが良いです。複数の商品を使った場合、効果が得られたとしても、どれが効いたのか判断できなくなってしまいます。
普段の生活習慣はもちろんのこと、こういったヘアケアを取り入れ、育毛対策をしていきましょう。